【要約・考察】東大卒プロゲーマー・ときどの言葉

【要約・考察】東大卒プロゲーマー・ときどの言葉

『東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない』より

プロゲーマー・ときどの著書『東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない』のなかに「情熱は、理論を凌駕する」という言葉がある。著書はプロゲーマー・ときどが「プロゲーマー」になるまでの人生を綴ったものだが、先の一言に説得力があるのは「東大卒」という肩書のためだろうか。いや、そうではない、と私は思う

ゲームセンターのなかでの上下関係や浪人時代、大学院入試など、美談よりも挫折の話のほうが多いのは決して気のせいではないと思う。肩書きだけでは決して表せない、等身大の人間が抱える葛藤や懊悩、そして「プロゲーマー」という未知の世界へ果敢に飛び込む姿が本書では描かれている。だからこそ私は「情熱は、論理を凌駕する」という言葉、そして、この本を多くの人に知ってもらいたいと強く思う。

確かに「プロゲーマー」も「東大卒」も「一般的」ではないだろう。けれど「安定」と「挑戦」、「現実」と「理想」の間で苦悩する様子は、「ときど」の話でもあるし私たちの話でもあるのだ。夢中になっていたものを諦めてしまったり、今まさに諦めそうな人は本書を手に取ったとき「情熱」の炎をプロゲーマー・ときどから受け取るに違いない。