【歌詞解説】音楽『寄り酔い / 和ぬか』

【歌詞解説】音楽『寄り酔い / 和ぬか』

片思いをしている人にぜひ聞いてほしい一曲。どんな人でも片思いをしているときは、自分のことを好きになってもらうために少しだけズルいことを考えてしまうものだと思います。そんなズルいことを考えた自分が少し嫌いになったり、あるいは自分が自分じゃないような不思議な感覚を覚えたり。そして、相手の言葉やしぐさにずっと頭を悩ませ「我ながらバカだなあ」なんて急に冷静になったりします。けれど「誰かを好きになるってそういうもんだよね」と寄り添ってくれるような曲が『寄り酔い』です。

『寄り酔い』は夏祭りが行われた夜に意中の人と帰り道をともにしている状況が想像できるようになっています。夏の夜の生ぬるい空気のなか、お酒のせいで少しだけ酔いつつ隣を歩く人ともっと一緒にいたい。けれど、子どもほどピュアでもないし、大人ほどスマートでもない彼らは、引き留めるための上手い口実も「一緒にいたい」という素直さも持ち合わせていません。そんないじらしさが『寄り酔い』では歌われているのです。

ただ、いじらしさ、ズルさや曖昧さが振り返ってみれば大切な思い出にもなるし、誰かを好きになることの魅力だと教えてくれる一曲だと思わずにはいられません。