カテゴリー: 歌詞考察
【歌詞考察】七尾旅人『サーカスナイト』の魅力
「明日があるから」ということが楽しい時間を切り上げるようになったのはいつからだろう。これが例えば、好きな人と過ごしている時間でも「明日がある」というのが僕たちの至福を強制終了させる。けれど今よりずっと若いときは、そんなことはなかった。僕だけではない。あなたたちだってきっとそうだ。 「今日」の幸せと「明日」の憂鬱の間で、僕たちは「今がずっと続けば」と願ったこと
【歌詞考察】Back number『ブルーアンバー』
泣いていた理由を、誰にも言わなかったあなたへ あなたがBack number『ブルーアンバー』に心を掴まれたのは、きっと「言葉にしなかった感情」が、自分の中にも沈殿していたからだろう。この歌が描くのは、誰にも見せられなかった涙の色、そして“見つけられなかったままの自分”である。 歌い出しの〈抱きしめられた記憶〉は、過去に起きた傷ではなく、「今も残り続けている
【歌詞考察】DECO*27『ラビットホール』
純愛への憧れと斜に構えた心情 DECO*27が作詞・作曲を手掛けたボカロ曲『ラビットホール』は、 ポップで軽快な曲調 に心奪われがちだが、実は、 純愛に対する憧れ を持ちながらも、それを素直に受け入れられない 斜に構えた態度 が描かれている。 本論ではそのことを歌詞の意味から読み解いていくと同時に、その態度が、曲中でどのような結末を迎えるのか考察していきたい
【歌詞考察】『晩餐歌』はなぜ名曲なのか –タイパ時代の「価値」と「愛」について–
『晩餐歌』という歌が人気を博している。日本のシンガーソングライター・tuki.による楽曲で若年層を中心に多く聞かれている歌の一つに数えられるだろう。愛する人を傷つけてしまったこと、好きだからこそ離れられないことの葛藤を歌い上げている。曲中で特に印象的なのは「「何十回の夜を過ごしたって得られぬような」というフレーズだろう。この歌詞が言葉にできないほどの愛情の大
【歌詞考察】歌・米津玄師『KICK BACK』の言葉
「共感」といえば、悲しいことや傷つくことに対するものというイメージが一般的だろう。一方で「憤怒」や「焦燥感」への同調されることはあまり期待できないと思う。 しかしそんなダメ元の期待に米津玄師『KICK BACK』は応えてくれる 。綺麗ごとに対する否。「「止まない雨はない」より先にその傘をくれよ」というフレーズはそのことを象徴している。 だが、そういった攻撃的
【歌詞考察】THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『世界の終わり』の歌詞
「 悪いのは全部君だと思ってた くるってるのはあんたなんだって 」。これほど引き込まれる歌詞を私は知らない。ここで紹介するTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの『世界の終わり』を知らない人も多いと思う。もしかしたらボーカルである「チバユウスケ」の名前であれば聞いたことある人もいるのではないか。23年の紅白歌合戦では、映画『THE FIRST
【名言・考察】THE BLUE HEARTSの名言
「生まれた所や皮膚や目の色でいったいこの僕の何がわかるというのだろう」。THE BLUE HEARTS『青空』の歌詞だ。この言葉を本論の読者は古臭いと思うだろうか。確かにこの曲が発表されたのは1989年で今から30年以上前だ。 しかし私自身の考えは、この内容は今でも多くの人に刺さると思っている。そのための視点を本論では提供したい 。 このことについて就職活動
【歌詞解説】音楽『寄り酔い / 和ぬか』
片思いをしている人にぜひ聞いてほしい一曲。 どんな人でも片思いをしているときは、自分のことを好きになってもらうために少しだけズルいことを考えてしまうものだと思います。そんなズルいことを考えた自分が少し嫌いになったり、あるいは自分が自分じゃないような不思議な感覚を覚えたり。そして、相手の言葉やしぐさにずっと頭を悩ませ「我ながらバカだなあ」なんて急に冷静になった
【歌詞考察】あいみょん『裸の心』分裂する歌詞の結末を考える
私たちが恋愛の曲に求めるのは、こういう歌詞だったのかもしれない。そんなことを思わせてくれるのがシンガーソングライター・あいみょんの『裸の心』だ。ただし、この曲には ハッピーエンドとバットエンド、どちらにも解釈できる仕掛けが施されている 。本論では、この曲の人気の理由と、バッドエンドとハッピーエンドの2つの結末へ至るための解釈を歌詞に沿って紹介していきたい。
【歌詞考察】『月曜日』(amazarashi)憂鬱な月曜日を生き延びたい僕らのための歌
月曜日が憂鬱なのは、僕らが「大人」だからかもしれない。 そんな月曜日を生き延びるにはamazarashiの『月曜日』という歌が効く 。学校にも会社にも行きたくない月曜日のために、この曲の魅力を歌詞に沿って紹介したい。 「体育倉庫のカビたウレタンの匂い」から始まる本曲は、リスナーを学生だった頃に引き戻す。ここでは匂いを感じている学生を仮に「私」としよう。「私」