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【歌詞考察】DECO*27『ラビットホール』

純愛への憧れと斜に構えた心情 DECO*27が作詞・作曲を手掛けたボカロ曲『ラビットホール』は、 ポップで軽快な曲調 に心奪われがちだが、実は、 純愛に対する憧れ を持ちながらも、それを素直に受け入れられない 斜に構えた態度 が描かれている。 本論ではそのことを歌詞の意味から読み解いていくと同時に、その態度が、曲中でどのような結末を迎えるのか考察していきたい

【名言・考察】新海誠監督作品『秒速5センチメートル』より

仕事を辞めたいなと思ったとき、どこからともなく湧き上がる言葉がある。「そしてある朝 かつてあれほどまでに真剣で切実だった思いが綺麗に失われていることに僕は気づき もう限界だと知ったとき会社を辞めた」。『君の名は』『天気の子』『すずめの戸締り』で有名な新海誠の作品『秒速5センチメートル』の主人公・遠野貴樹の独白である。 仕事に忙殺されていることや、社会人であれ

【歌詞考察】『晩餐歌』はなぜ名曲なのか –タイパ時代の「価値」と「愛」について–

『晩餐歌』という歌が人気を博している。日本のシンガーソングライター・tuki.による楽曲で若年層を中心に多く聞かれている歌の一つに数えられるだろう。愛する人を傷つけてしまったこと、好きだからこそ離れられないことの葛藤を歌い上げている。曲中で特に印象的なのは「「何十回の夜を過ごしたって得られぬような」というフレーズだろう。この歌詞が言葉にできないほどの愛情の大

『意識と自己』(講談社学術文庫/アントニオ・ダマシオ)

人々が抱いている世界観を一新する本が存在する 。例えば進化生物学者リチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』やマーヴィン・ミンスキー『心の社会』などがそうだろう。そしてこれから紹介するアントニオ・ダマシオ『意識と自己』もそのようなうちの一冊に並べられるべきだと私は思う。 ところで私たちは「感情」や「意識」と言ったものについて、どのようなイメージを抱いているだろ

小説『君が手にするはずだった黄金について』 著:小川 哲

「俺をみてくれ!」と言いたげな人が多くいることを私たちはSNSで知っている。そして、 そんな人々の滑稽ともいえる行動に笑いそうになる経験があるのなら、私は本書を勧めたい 。 主人公は本書の作者を彷彿とさせるような人物。冒頭では大学生だった彼は物語の進行とともに年を重ね、小説家となり、様々な人と出会う。作家志望の女性、資産運用のプロとして有名になった旧友、著名

【考察】小説『ハーモニー』著:伊藤 計劃

今の世の中に違和感を覚えている人、そしてSFというジャンルの凄みを味わいたい人に強く勧めたいです。本作の舞台は21世紀後半の世界。そこは医療の発達により病気だけではなく恐怖や不安が排除された社会でした。しかし その中で起きた全人類を巻き込んだ大混乱のなかで、主人公はかつて死んだはずの友人の面影を追うことになります。 「永遠と人々が思っているものに、不意打ちを