投稿者: k-sato

  • 【要約・考察】『テクノ・リバタリアン』新時代からの誘惑と挑発

    「革命のような「大きな物語」の幻想がすべて潰えたいま、テクノ・リバタリアニズムが「世界を変える唯一の思想」になった」。こう宣言するのは作家・橘玲の本『テクノ・テクノ・リバタリアン』だ。「テクノ・リバタリアン」とは「自由を重視する功利主義者のうち、きわめて高い論理・数学的能力をもつ者たち」とされている。その代表的な人物を「イーロン・マスク」「ピータ・ティール」

  • 【要約・考察】『ブルシット・ジョブの謎』クソどうでもいい仕事の謎と罠

    「仕事のための仕事」「会議のための事前打ち合わせ」「ブレストという名の愚痴大会」。これら亡霊のような仕事があなたの周りにもないだろうか。内心では「どうでもいい」「なんの意味がある」と誰もが思っているはずなのに、どこからか発生する謎の仕事。この答えを明かしてくれるのが講談社現代新書から発売されている『ブルシット・ジョブの謎』という本だ。本書は「ブルシット・ジョ

  • 【要約・考察】『生きづらい明治社会』「生きづらさ」の理由は性格か、社会構造か。

    「生きづらさ」を覚える原因というのは往々にして当人の性格によるものだと思われがちだ。ましてや便利な言葉が増える現代において、「生きづらさ」ものに心理的な病名が付きがちだというのは多くの人が感じているところだろう。だが「生きづらさ」=本人の気質という図式は真実なのだろうか。 僕らを取り巻く仕事や社会規範、経済だって「生きづらさ」を生んでいるのではないだろうか

  • 【要約・考察】『友だち幻想』「友だち」でいることが辛い人たちへの励ましの一冊

    菅野仁の『友だち幻想』を十代の頃に読んでいたら、きっと泣いていたと思う。「「友だち」と一緒にいるのに辛いなんて、きっと自分はおかしいんだ」と思っていたから、 この本に宿る「大丈夫、変じゃないよ」というメッセージに励まれたはずだ 。本論では、そんな素敵な本『友だち幻想』の要約と考察を述べていきたい。 『友だち幻想』の要約と「励まし」 本書の構成は大きく四つに分

  • 【要約・考察】『社会学入門』ようこそ、「関係としての人間の学」の社会学へ!

    「自分にとってほんとうに大切である問題、その問題と格闘するために全青春をかけても悔いないと思える問題を手放すことなく、どこまでも追及しつづけることの中に、社会学を学ぶ、社会学を生きるということの<至福>はあります」。これは社会学者・見田宗介『社会学入門』の冒頭の文章だ。本書は「入門」であるものの、「社会学」の入門ではなく、前述した「社会学を生きること」、「ど

  • ゲームクリエイター・桜井 政博の名言

    ゲーム好きであれば『星のカービィ』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』という作品名は知っていると思う。紹介した言葉は、それらゲームの生みの親である桜井政博氏の言葉だ。下部のリンクに桜井氏のYouTubeチャンネル『桜井政博のゲーム作るには』のなかの一本である「とにかくやれ!! 【仕事の姿勢】」を張らせてもらった。ここに先のセリフ「やる気が出ないことに対して深く考

  • 【要約・考察】「客観的」は本当に良いことなのか?

    自分の悩みを相談したとき「そんなの、みんな同じだよ」という回答にモヤモヤを抱いてしまうのは私だけだろうか。適当に頷くものの、内心では「いや「みんな」なんてどうでもいい。苦しいのは、この「私」なんだ」と毒づいてしまう。この「みんな同じ」という回答は「客観的にみて、君の悩みは「悩み」とは言えない」と言われている気分になるのだ。だが昨今では「客観」が万能の道具のよ

  • 【歌詞考察】七尾旅人『サーカスナイト』の魅力

    「明日があるから」ということが楽しい時間を切り上げるようになったのはいつからだろう。これが例えば、好きな人と過ごしている時間でも「明日がある」というのが僕たちの至福を強制終了させる。けれど今よりずっと若いときは、そんなことはなかった。僕だけではない。あなたたちだってきっとそうだ。 「今日」の幸せと「明日」の憂鬱の間で、僕たちは「今がずっと続けば」と願ったこと

  • 【歌詞考察】Back number『ブルーアンバー』

    泣いていた理由を、誰にも言わなかったあなたへ あなたがBack number『ブルーアンバー』に心を掴まれたのは、きっと「言葉にしなかった感情」が、自分の中にも沈殿していたからだろう。この歌が描くのは、誰にも見せられなかった涙の色、そして“見つけられなかったままの自分”である。 歌い出しの〈抱きしめられた記憶〉は、過去に起きた傷ではなく、「今も残り続けている

  • 【要約・感想】國分功一郎『はじめてのスピノザ』スピノザが問いかける自由の本質とは

    國分功一郎の『はじめてのスピノザ』は、17世紀の哲学者スピノザの思想を、現代の重要な視点からわかりやすく解説している。閉塞感が漂う現代において、私たちは一般的に持つ「引き受け」や「自由」の概念を再構築し、別の世界の在り様を思考すべきなのではないだろうか。本書はスピノザの哲学を通して、そのための視座を与えてくれる。 要約 第一章:「組み合わせとしての善悪」 ま