投稿者: k-sato
【歌詞考察】ヨルシカ『ただ君に晴れ』
2018年5月4日にリリースされヨルシカによる楽曲「ただ君に晴れ」。この曲は、ボカロPとして知られるn-bunaによる作曲を、ボーカルのsuisが透明感あふれる声で歌い上げる。発表から数年が経過した今も、人気の歌だ。歌詞は、過去の思い出に対する切なさが表現されており、「僕」が「君」との思い出を手放せずにいる様子が描かれている。 しかし、この曲の真価はこのよう
【歌詞考察】Official髭男dism『Same Blue』
Official髭男dism『Same Blue』といえば、マンガ『アオのハコ』のアニメ主題歌として知っている人は多いだろう。青春恋愛マンガのオープニング曲なだけあって、「好き」という気持ちがまっすぐに表現されている曲だと思われがちだが、歌詞の意味を一つ一つかみ砕くことで、見事という他しかない構造が現れる。 本論では、同曲において視線の動き方が非常に巧みに構
【歌詞考察】なきそfeat.歌愛ユキ『ド屑』
『ド屑』は、ボカロPなきそが制作した楽曲で、歌手として歌愛ユキがフィーチャリングされている。この曲は2022年3月5日に配信リリースされ、公開から1ヶ月足らずでミュージックビデオの再生回数が100万回を突破するなど、高い人気を誇っていることは数値が示しているとおりだ。 一方で『ド屑』は、一見すると「男に弄ばれた女の復讐劇」にも見えるが、歌詞を丁寧に読解すると
【歌詞考察】DECO*27『テレパシ』
ボカロ曲『テレパシ』は、大量のパロディ、ネットミームで構成されたMVを背景にしつつ、自身の恋愛感情を歌っている人気の楽曲だ。ネット上の考察は、このミームの元ネタ探しに奔走しているようだが、 重大な点が三つ見過ごされている 。 一つは『テレパシ』というタイトルの謎。二つ目が、なぜこの曲のMVがネットミームで構成されているのか。最後は、この曲の歌詞が「片思い」の
【歌詞考察】ピノキオピー『超主人公』が問いかける「物語の終わり」の不可能性
『超主人公』(ちょうしゅじんこう)は、2025年2月14日に公開された楽曲であり、ボカロPのピノキオピーによって作曲、作詞、イラスト、動画が手掛けられている。 一見するとシンプルなメッセージを発している本曲だが、歌詞のテーマや内容については多くの解釈を可能にし、フォロワーやリスナーからの考察が活発に行われている。 本論では、歌詞の意味を考察することによって、
【歌詞考察】DECO*27『モニタリング』
DECO*27のボカロ曲『モニタリング』は、2024年12月に発表された楽曲だ。この曲は、他者に対する欲望や恋心をテーマにしたものであるが、本曲の結末などの解釈をめぐって、リスナーに活発な議論を巻き起こしている。 なるほど。たしかに『モニタリング』は、一見するとヤンデレ的な楽曲である。特に出だしの「ねえあたし知ってるよ/きみがひとりしてるの知ってるよ」はMV
【あらすじ・感想】『世界で一番透きとおった物語』1000人の感想総まとめ! 感動の声と賛否を徹底検証
0. あらすじ--「遺稿」が導く父の素顔 母を亡くした主人公・藤阪橙真は、ひょんなことから一度も会ったことのない推理作家の父・宮内彰吾の遺稿を探すことになってしまった。 知り合いの文芸編集者・霧子と協力して父の業界関係者や愛人たちを調査し、次第に父の複雑な人物像を知っていく。 しかし、この過程で遺稿を狙う何者かによる妨害が主人公の周りで起こり始め――。 1.
【歌詞考察】kanaria『酔いどれ知らず』
深いテーマと悲恋の解釈 『酔いどれ知らず』という曲をご存じだろうか。多くの人々に愛され、歌詞には深い意味が込められているこの歌は、特に若い世代の間で人気が高い。その人気を示すようにネットには感想が多く転がっている。それらは歌のタイトル『酔いどれ知らず』が示すように、酔っ払いのように現実から逃れたいと願う心情を描いているというのが多い。 たしかに一般的には、こ
【あらすじ・感想】 呉勝浩『爆弾』―読者1000人に聞いてみたスリリングな展開とキャラクター描写を徹底分析
『爆弾』に対する読者の感想 呉勝浩氏の小説『爆弾』は、スリリングな展開と意外な結末が魅力のミステリー作品として、多くの読者に楽しまれている。本作の幕開けは衝撃的なシーンからだ。自称スズキタゴサクという男が警察に「十時に爆発があります」と予告し、実際に秋葉原で爆発が起こるのだ。読者は、この予測不能なストーリーに引き込まれ、最後まで飽きることなく読み進められると
【歌詞考察】黒うさP『千本桜』
大ヒットボカロ曲が映す理想化された日本の虚構性 『千本桜」』といえば、ボカロ曲を聴く人であればだれもが知っているであろう。 黒うさPによって作詞・作曲され、初音ミクが歌唱するボカロ楽曲であり2011年に公開されるやいなや、瞬く間の音楽ファンを魅了した。 その力強いメロディーと歌詞、そして視覚的にも強いインパクトを有した楽曲だが何よりの魅力は、その 独自の世界